深淵をのぞいてる場合じゃないぞ、チミ。

昨日のエントリーがそうなんだけど、今回の震災に対する自分の客観的視点に気づいた時に、個人的な不快感があったんですね。

真剣に考えてみよう!と思って、被災者の方とのシンクロ率を高めたら、ちょっと精神的に疲れてしまい、昨日はクタクタになってしまったわけです。

いやいや、「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。」ですな。

俺が客観的なのは、深淵にのぞかれてしまうと、すぐ影響がうけちゃうからなんだよね。忘れてた!

被災者の皆さんのためにも、俺のためにも、今日は俺ができることをする!

知っているという概念、あるいは久方ぶりの首の寝違えに関して

観測史上最大の地震があったから、ちょっと独り言みたいなエントリーがあってもいいのかなと思うし、そもそもこれって、二人しか読まないからなんでもいいとも言える。

「知っている」という概念に関して、少し考えた。

シーン1

子供が母親と絵本を読んでいる。子供はライオンを指さし、ライオンが強いということを話す。ライオンは怖いんだよと母親は話す。この母親と、この子供も「ライオンが怖い」ということを知っている。


これも「知っている」に違いない。

シーン2

サバンナに夜が訪れると、辺りは闇に包まれる。真っ暗な夜に野営をしなくてはならない状況があり、その時、かすかな音が聞こえたと思うと、隣にいた人間の首に雌のライオンの牙が食らいついている。ライオンが群れで狩りをすることを知っている男は、たしか数メートル先にあった銃に視線を泳がす。

このライオンに襲われた男も「ライオンが怖い」ということを知っている。


これも「知っている」に違いない。

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津波をみてその大きさに驚き、多くの人が亡くなったことに心を痛めていた。
地震で多くの方が寒く、食べるものもないことを憂いていた。

震災をした人達のことを考えるとき、私たちは分ったよう気持ちになるし、十分に理解したような気持ちになる。震災で何が起っているのかを知っている気持ちになる。

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でも、絵本をよむ親子程度にしか、私たちは震災のことを理解できないと思う。それを恥じる必要もない。ただわかったようなつもりにはなってはいけないと思うわけです。

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きっと私と同じような36歳の会社員とその妻が、幼稚園に通うかわいい息子を津波で亡くしているかもしれない。もしかしたら、その無残な姿を確認しなくてはいけないかもしれない。

私たちは、何かをわかったようなつもりにはなってはいけない。それはきっと何かを知っているということとは全く違うものだから。

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そんなことを思いながら寝ていたら、身体が緊張をしているのか、5年ぶりくらいに寝違えてしまい、首が回らないわけです。

記録史上最大の地震に関する、一サラリーマンの記録。

前日

奥さんから、家の金魚が死にそう。。というメールが届く。死んじゃうと息子が悲しむね・・と話をする。

家にかえると、金魚は既に力なく浮かんでおり、水を吸い込んでは吐き出す循環装置の吸込み口に、金魚は引き込まれそうになっている。そんな水の流れは通常ならば感じることすらできないのに、金魚が水にあらがう姿をみると、手に取るようにわかる。


最後の時間くらいゆっくりさせてあげようと、循環器をとめると、金魚は浮いたり、沈んだりしている。

明日の朝はもう無理かもしれないなと思いつつ、寝ることにする。


当日朝

起きて、水槽をみると、金魚は元気に泳いでいる。おっ、昨日の状況は何だったんだろうと思いつつ、エサをあげる。

昨日は一切、エサを食べなかった金魚はエサをパクパクたべる。いいね。


当日昼

ランチの時間に仕事があったため、13時からランチを食べる。
麻婆豆腐を数ヶ月ぶりにたべ、かつ朝もあまり食べなかったので、ごはんもおかわりしたりする。本当にお腹いっぱい。こんなに食べるのは本当に久しぶり。

地震発生

新宿の高層ビルの35階の揺れはまるで船の上にのっているような印象になる。



地震の最初は、いつもアレ、めまい?という感覚から始まる。そのうち、地震だという声が大きくなってくる。

前回の地震マグニチュード7.2で、それは阪神淡路大震災マグニチュード7.3と等しいエネルギー量だったので、そこまでの大きなエネルギーにはならないのではないかと思っていくと、地震の揺れはより大きくなってくる。

ステレオのボリュームをだんだんと上げていくように、大きな揺れとなってくる。

地震の揺れが苦手な女性は、顔が青ざめている。

机の下にはいってください!と声をあげる社員がいる。そういう声がけをする社員は素晴らしいなと思う。

これは大きな地震だけど、自分ができることは限られているので、自分が対処できる範囲ならば対応するし、対処できない範囲ならば仕方ねぇなと思い、座っている。

アーロンチェア地震にたいして、適切に吸収しようとするから、逆に揺れるように感じる。

総務の方が別のフロアから走ってきて、安全の確保のために声を上げている。

我が社のオフィスの中で、地震の中でもっとも早く、かつまともなを対応をとっていたのは彼だった。私はiPhoneでビデオをとっているわけで。。

揺れも弱まってきたので、椅子に座っていると気持ち悪くなるので、立ち上がって外の高層ビルをみると、そとの高層ビルがまるで模型のように揺れている。すごいな。

外を見ていると、空は雲に覆われていて、天気がよいときにみえる富士山がみえなかった。「マンガだったら、雲があけたときに、富士山がなくなっているんだけどな。。」と同僚と話をする。

窓の外の雲をみて、「あれが地震雲ですよ。関東大震災のときもでたそうです。」と話す女性がいる。

どうみても普通の雲で、地震雲というのは常に結果論として生み出される雲なんだろうなと、考える。


発生30分後


ちょっと船酔いみたいな感じになったので、自販機で水を買い、エレベーターが止まっているので、階段で別フロアにのぼると、非常階段の壁にヒビがはいっている。

トイレにいくと、地震で酔ったためか、吐いている方が多くいる。
トイレの個室のドアが、ビルのゆれで、バターン、バターンとすごい音をたてている。このドアで怪我した人もいるんじゃないかな。

ギギギとビルがきしむ音がしている。


情報

Yahoo!のトップページの地震速報の表示がいつもより簡素な感じになっている。これは大きな地震なんだなと思う。

その後、マグニチュード7.9(不確か)くらいの表示がされて、阪神大震災をこえるエネルギーと驚くが、それすらも過小の数値で最終的にマグニチュード8.8の数値が表示される。

地震の発生直後から、Twitterを中心とした情報の共有が行われはじめる。
無事とか無事じゃないとか、こんなニュースが流れているなどの情報は、役に立つ役に立たない関わらず、人々を安心させているようにみえた。

その安心をたしかめるように、また人がTweetをしたため、多くの人の精神を安定させたが、正しい情報という意味では、個人的に飢餓状態を感じる。

死傷者情報は一切でてこない。


集合知という概念は、「一定期間内の情報量が閾値をこえると機能しなくなる」と感じる。Twitterは情報を取得する場所というよりは不安なみんなが手を取り合っているように見えた。


整理された確定した情報がほしく、NHKがみたいと思うが、PCやiPhoneでは閲覧ができなくて残念。。と思っていると、中学生がNHKUstreamを開始したという情報がTwitterでながれる。

様々な大人がTwitterで不確かな情報のRT合戦をしている中で、中学生の冷静な対応はこれもまた素晴らしいアクションと思う。

このUstreamを一つのディスプレイに流しながらみていると、これは本当に大きな地震であり、あの津波の規模であれば、甚大な被害が発生していることに疑いはなかった。

でも、もしみんなが避難してくれていたらいいなと楽観的な気持ちをもつが、その気持ちはもちろん裏切られる。(2011/03/12 7:27時点での裏切られ方よりも、今後もっと大きな被害が明らかになるんだと思う。悲しいけど。)

通信手段


当然メールの遅延が発生する。メールは地震発生直後のほうがつながるように感じられた、きっと人的・システム的なメールのリトライが発生して、雪だるま式にメールサーバの負荷が高まるんだと思う。

携帯電話はもちろん普通になり、固定電話の強みをあらためて再認識する。

その中で、連絡手段として圧倒的に強かったのが、Skypeを始めとするPtPのコミュニケーション手段だった。

メールの到着に1時間とか普通にかかる中で、リアルタイムにコミュニケーションがとれ、音声通信も普通にできるのは本当にすごかった。

TwitterもDMも連絡手段としたかなり役だった。でもiPhone宛のプッシュ通知やメール送信が止まっていたので、Twitterに張り付く必要はあったけど。

交通手段

地下鉄・JRはすべて機能を停止し、都市部の交通網は麻痺する。
この規模の地震の影響を調べるのは、かなりの時間がかかることが想定され、今日の運行開始は無理だろうなと思う。

結局、翌日の今まで、交通機関の麻痺はつづき、帰宅難民がでることになる。

夜には、公共機関や学校が場所を解放し、帰宅できない人たちの受け入れを開始する。例えば、我が家もだれかの受け入れはできたはずだったよなと思うがなかなか難しい。。


18時も過ぎて、会社から歩いて帰ることになる。家までは何回か歩いているので、特に不安もなかった。もうこういう経験はないといいのだけど、家にかえれるかのチャレンジはしておいたほうがいいのかもしれない。


同僚と歩きながら、「都市部ってやっぱり安全ですよね。だって歩いて帰れるし、道は明るいし」という話がでたのだけど、東京は被害がすくないからで、被害がある一定レベルを越えると、人が集中しているということが逆に危険につながるはずだよ。安全なときは都会は便利というだけじゃないかな。と話をする。

コンビニは食料の補給とトイレの貸し出しでフル稼働している。

自転車屋さんにある程度の人が集まっている。購入した自転車で帰るのだろう。信号待ちをしていると、友人に自転車をかりたであろう人が、「これから40KM。がんばれよ!」と声をかけられている。大げさかもしれないけど、がんばってほしいな。

公衆電話は無料開放されている。多くの人が公衆電話に並んでいるのをみて、公衆電話はこんなに数があるのかと改めて思う。もしソフトバンクがNTTを買収したら、絶対に公衆電話は撤去されてるなと思う。「無線LAN網があるから大丈夫!」みたいな感じで、上戸彩さんが笑顔で撤去するな。

無事、家につくと、奥さんと息子が心配そうにまっていた。東北地方で大きな悲しみが存在しているが、まず家族が無事なことを喜ぼうと思った。

次の日


朝をおきると、テレビは、より大きな被害が報じられている。1000人を越える死者や不明者がでている様子。

もう起きてから3時間くらいテレビをみているが、改めて大きな地震だったと再認識する。

実際、昨日から、気を常に張っている状態なのかもしれない。外に出たら、あまりの天気の気持ちよさにびっくりした。青い空と透き通った空気がそこにはあった。

犬を散歩しているおじいさんがいて、工事中の家の前では坊主頭の大工さんが、笑顔で工事現場をみていた。

そこには普通の日常があった。いや、普通の日常よりも素敵な土曜日かもしれない。

私たちが甚大な被害に遭われたかたと同じ気持ちになる必要はないのではないか。逆に私たちは元気にできることをやるべきなんだと思う。

UstreamNHKを放送した中学生のように、私たちはできることをやらないとなと思う。

東京電力から、今日の夕方に電気の供給量を需要が上回るようです。私たちは私たちできることをやる。その意識を持つべきではないかと思う。


最後に

原子力発電所のトラブルはいまも非常に危険な状況で、その問題が解決されることをいのります!

「うっわ。テレビでテレビ番組みてるの?!」という未来。

三菱電機がCMカットをする機能を、DVRから外した件に関してですが、個人的には、そんなテレビ局に気を遣うメーカーって、くだらないな。談合だなと思うわけです。

でも、まぁテレビみてるくらい暇なんだから、CMくらいみたらいいのに。。とも思ったります。まぁ、どっちでもいいよね。

私自身は、テレビはほとんどみないか、みてもNHKなのでCMを意識することはあまりナシ。



でね。テレビ局はまったく興味がないのだけど、受信機としてのテレビにはもっと期待できることがあるんだ。

ちょっと思うことを整理してみる。

受信機としてのテレビに思うこと。

● リモコンをたたき壊そう。

なんで12のチャンネル数を中心とした構造なのさ、もっと自由な感じにしたらいいだと思う。

● 映像の受信機という概念は破壊するべき。

家族のコミュニケーションインフラと考えたらいいのに。デジカメの写真はみれるけど、チープなインターフェース。全体的にくだらないよね。

● 他者とつながれ

なぜSKYPEを搭載したテレビがソコカシコにでないのか。そりゃGoogleAppleは数年以内にテレビ会話可能なテレビをリリースするよ。でもそれを待つ意味を教えてほしい。

● ソーシャルになれ。

Facebookでどの番組をみているかを共有したらいいじゃん。これ見逃さないほうがいいよって番組は教えてあげれたらいいじゃん。

● 閲覧できるチャンネル数を増やせ。

スカパーとかそういうんじゃないよ。ニコニコ動画とかUstreamとかをみれるようにしたらいいじゃん。プラットフォームという概念をもとうよ。


昔から言われるような、パソコンとの融合じゃないんだって、テレビが融合するべきは他のコンテンツであり、家の外にいる他者だ。

ケータイ電話が電話と大きく解離していくように、テレビもテレビ局と同列に語ることが古くさい印象をうけるようなプロダクトをつくってほしいなと思うわけです。

僕はね。

iPad2の発表に期待すること

iPadの次世代のバージョンが、3月2日にリリースされることになる。iPad2にはきっとイロイロな機能が付くことになって、私みたいな旧iPadユーザーはきっとヤキモキするんだと思う。実際のところ。



でも、まぁ1ヶ月くらい経つと、別に現状のiPad自体に不満があるわけではないので、あまり物欲も高くならず、そんなものかもねと思うだけなのかもしれない。そんなことよりももっと重要なことは、iBooksの日本語版がどうなるのかっていうことなんだ。Kindleの日本語版もそうだし、だれがボトルネックになっているのかはわからないけど、日本語の電子書籍マーケットを妨害するのは本当に辞めてほしいと強く思う。

日本のiPad2の発売とともに、iBooksの日本版のリリースがされることを切に望むわけです。私は。

(非同期の同期性は素敵)「ゆけ!勇者」を考える

ゆけ!勇者

iPhoneで昨年から話題の「ゆけ!勇者」。いわゆるRPGなんだけど、基本的な利用方法は、放っておくだけ。ロールプレイングゲームだけど、なんの役割を演じるかというと「王様」。ドラクエの王様みたいな感じですね。王座に座って、「ゆけ!勇者!」


この「ゆけ!勇者」なんだけど、いろいろな賞をとったりして話題なんです。

2010年iPhoneゲーム大賞受賞! ほっとけRPG「ゆけ!勇者」
http://www.excite.co.jp/News/reviewapp/20110224/E1298475567073.html

週末からちょこちょこやっていて、今も勇者は旅にでている段階なんだけど、良いゲームです。


時間の共有

このゲームをやってみて、改めて時間軸を利用したアプリは面白いなと。

第2回「Twitter」と「ニコニコ動画」の共通点(1):Twitter編 | WIRED VISION
http://bit.ly/gC0z3y

ちょっと前から、ニコニコ動画の「非同期の同期感」ってすごく面白いなって思ってたんですが、このアプリも非同期の同期感が面白いなって思います。

      • ニコニコ動画は、映像ファイルの時間軸をもとに、1年前にコメントされたものと、今コメントされたものがまるで今一緒に話しているかのように共有できる。
    • ゆけ!勇者
      • 勇者を送り出した後、ちょこちょこ途中経過をみたりしながら、戻ってきた後、勇者の戦いの記録をみて、あーそんな戦いだったんだーと共感できる。


時間を意識したアプリってまだまだ少ないし、まだやりようはあるんじゃないかなって思います。

たとえば出会い系サイト

例えば、出会い系サイトも時間の感覚をいれたら面白いんじゃないでしょうか。

「ゆけ!勇者」ならぬ、「ゆけ!俺」なんですが、2時間くらいあるパーティに送り出すんです。
で、送り出したら、私ができるところはここまで。2時間のパーティで、私の分身が女の子と話したり、酔いつぶれたりしている様をみることができる。でも、指示はできない。

有料でトークのネタとかをゲットできるとか。そういうアイテム課金。笑

実際は話していないんだけど、サーバ上の俺がその二時間でいろいろな人と話をしたり、笑ったりしたように感じる、その感じる仕組みが面白いんじゃないかなと。

リアルタイム性とは異なる同期感

リアルタイムというか、実際の日々は過ぎ去ってしまうのだけど、まるでリアルタイムのように感じるという仕組みはとても面白い。

中学校時代、図書館で借りた本に「この文章いいね。」って女性の字で書き込みを見つけたことがあるけど、あれも非同期の同期感だったのかもしれないな。

非同期の同期感をもうちょっと研究してみようと思うわけです。

グルーポンはどこに向かうべきなのか。

グルーポンビジネスに関して

先日、富士屋ホテルという、ジョンレノンもチャップリンも宿泊したという、由緒正しいホテルのスイートに宿泊したんです。

宿泊の予約はグルーポン系サービスのどれかで予約したと思うのですが、10万円くらいなものを半額でとれたと思います。

部屋に温泉があって、サービスもよく大満足でした。夕食がついていないプランだったのですが、地場のお寿司屋さんにいっておいしい食事も食べることができました。


グルーポンのビジネスモデル

で、一方、グルーポンの悪評はよく耳にします。お店側の悲鳴もありますし、利用者側の苦情もあります。

一般的なグルーポン型のビジネスモデルとして、1万円の商品があるとして、それを50%OFFで販売をします。50%OFFの5000円をグルーポンとお店側で分け合う形となります。
※ このグルーポンがもつ50%のフィーも競合等の環境の変化により、おそらく低下するものと思います。

店舗側からすると、通常1万円の売上げがあがるサービスから、2500円の売上げしかあがりません。これでは利益がでないのも頷けます。(そもそもそういうビジネスモデルと理解して利用していないの??という疑問もありますが。)

ホテルの場合

それで私が利用したホテルですが、ここも同じような状況が発生しているのでしょうか。もちろんサービスの対価として、通常の1/4しか得られないので、よい状況というわけではありませんが、そこまでの負担にはなっていないのではないかと思います。

なぜならば、ホテルの経費の多くはすでに固定だからだからです。ホテルの維持費や従業員の給料などは、お客が入ろうが、入らなかろうが固定です。宿泊客がいようがいなかろうが経費はかかってしまいます。

もちろんクーポンでリリースされたプランが、夕食がついていないプランというのも経費を増加させないためには重要だったのでしょう。

箱根の歴史ある温泉ホテルが、新しい顧客開拓のために、経費が増加しづらいプランを提供するというのは理にかなった話です。(駅やテレビCMなどをどんなに増加させようと、箱根の老舗ホテルにいこうとは思わなかったでしょうし。)

逆に、顧客の増加がリニアに、経費の増加につながるモデルは、グルーポン型のサービスにはあまり不向きとなります。

グルーポン型サービスが向いている業態


では、どのようなサービスがグルーポン型サービスを利用するのに向いているのでしょうか。

経費の多くがすでに固定となっているビジネスは向いていると思います。
たとえば。

・ ホテル、旅館等の宿泊サービス
・ 貸し会議室等の場所貸しサービス
・ 美容院やマッサージ等の人が提供するサービス

といったものが、その代表格になると思います。

ですが、この場合、既存利用者からの売上げ減少というリスクがありますので、曜日や時間などによって繁閑がある事業が合致します。

たとえば、

美容院などは、会社員は土日に行く人がほとんどでしょうし、
ホテルなども、金曜日、土曜日の宿泊が中心のはずです。

そういった時間以外の比較的すいている時間帯であれば、経費が変わらないのであれば、安価で提供できるはずです。

もちろん空いている時間帯は従業員の休日に使ったりしているとは思いますが、だからといってある程度の人員は用意しなければいけません。たとえば、10席ある美容院の平日にあまりこないからといって1名しか美容師がいないということは少ないはずです。

それらの時間を有効につかうことで、経費の上昇を抑えながら、売上をあげることが可能になるはずです。


今後の方向性

私の仕事は企画になりますので、企画において中庸さや、凡庸さが致命傷であることは重々承知していますが、グルーポンの50%OFFというのは過剰に思います。また売上におけるフィーが50%というのも過剰です。

この辺りをもう少し最適化し、かつ長期的に全てのプレイヤーが喜んでもらえるサービスはできないものでしょうか。


まずは販売対象を限定することが必要なように思います。

□ 経費の多くが固定費である。(場所代や人件費等)
□ メディア側のフィーがリーズナブルである。
□ 閑散期(時間・曜日)を対象にしたビジネスである。


例えば以下のようなモデルです。

● 企画案

・ 美容院の時間指定での予約サイト

- 美容院は空いている曜日、時間を指定して安価な料金設定。
- 利用者は時間指定で予約。その時点で決済。
- 営業をかかえないので、媒体側のフィーは10%程度。


今の「グルーポン型サービスは悪」という風潮はちょっとおかしいかなと思います、逆にユーザーや企業がちゃんとサービス自体を理解すれば非常に有用なサービスとなります。

サービスの認知度はあがっている今だからこそ、本質的な価値を提供することでサービス展開は可能かなと思ってます!